— Blog
Claude Codeのログで試算。同じ仕事をローカルAIのPCでやったら何分かかる? AMD・NVIDIA 8構成の時間と価格
目次
以前の記事では、弊社のAI(Claude Code)の仕事量をもとに「ローカルAIなら何時間かかるか」を計算しました。今回は、その計算を皆さんのログでできるようにしました。Claude Codeの会話ログ(JSONLファイル)をこのページに入れると、AMD・NVIDIAのPC 8構成それぞれで何分かかるか、そのPCがいくらか、Claudeの何倍かかるかが表で出ます。ファイルはブラウザの中だけで計算し、どこにも送信しません。
この記事の結論(3行)
- 20Bクラスのモデル(gpt-oss:20b)なら、40万円台のPCでClaudeと同じくらいの時間で終わる計算になった。弊社のふつうの1日分で、RTX 5070 Ti機なら約1時間15分(Claudeの約0.6倍)。
- ただし120Bクラスになると話が変わる。GPU 1枚のタワーPCはメモリからはみ出してClaudeの約5〜8倍。メモリ128GBのミニPC(Ryzen AI Max・DGX Spark)だけが約2倍に収まる。
- 時間だけ見ればローカルAIは十分に速い。差がつくのは「同じ品質で仕事をこなせるか」のほう。この表は「仕事の量」の物差しとして使ってほしい。
ツール:JSONLを入れると、PC 8構成の所要時間と価格が出る
ここに .jsonl ファイル(複数可)をドラッグ&ドロップ
ファイルはこのページの中(お使いのブラウザ)だけで読み、サーバーには送信しません。読み取るのはトークン数と時刻だけで、会話の本文は使いません。
価格は税込の概算(2026年10月12日時点)。速さはGPU・メモリの性能から計算した推定値で、RX 9060 XTだけGPUの実測があります。「所要時間」=AIの計算時間+ツールの実行待ち。1台で1件ずつ順番に処理した場合です。
JSONLファイルの場所
Claude Codeは、会話を自動でJSONLファイルに記録しています。
- Windows:
C:\Users\(ユーザー名)\.claude\projects\ - Mac・Linux:
~/.claude/projects/(Macの「ファイルを選ぶ」画面ではCommand+Shift+.で隠しフォルダが見えます)
この中に、作業したフォルダごとのフォルダがあります。1つの会話が1つの .jsonl ファイルです。「フォルダごと選ぶ」で作業フォルダを丸ごと入れると、サブエージェント(Claudeが裏で立ち上げる別のAI)の記録も一緒に入り、より正確になります。
JSONLに「かかった時間」は入っているのか
入っていますが、「生成に何秒かかったか」という項目があるわけではありません。JSONLの1行1行に記録された時刻が付いているので、そこから計算しています。
| 知りたいこと | JSONLのどこから取るか |
|---|---|
| Claudeでかかった時間 | 人が依頼を送った時刻から、次の依頼の直前(AIの最後の動き)までの時間を合計 |
| そのうちツールの実行待ち | AIがツール(コマンド実行・ファイル操作など)を呼んだ時刻から、結果が返ってきた時刻まで |
| AIが書いた量 | 応答ごとの output_tokens(考える・ファイルを書く等を含む) |
| AIが新しく読んだ量 | 応答ごとの input_tokens + cache_creation_input_tokens |
途中で15分以上止まっている部分は、人が席を外していたか、許可を待っていたものとみなして15分で打ち切っています。また、同じ応答が複数の行に分けて記録されることがあるため、同じ応答の行は1つにまとめて数えています(まとめずに足すと、書いた量が実際と大きくずれます)。
「Claudeの何倍か」は、ローカルAIでの所要時間 ÷ Claudeでかかった時間です。ツールの実行待ちはどちらでも同じだけかかるものとして、ローカルAIの所要時間にもそのまま足しています。
弊社の「ふつうの1日」で試した結果
上のツールの「弊社の1日分で試す」ボタンは、弊社の開発・改修案件の記録(2026年7月22日〜9月30日・57日分)のうち、AIが書いた量がちょうど真ん中だった日(依頼43件)の数字です。この日、Claudeでかかった時間は約2時間10分でした。これを4つのモデルで計算し直すと、次のようになります。
| メーカー | PC構成・価格 | gpt-oss:20b 20B・MoE(13GB) |
gemma3:27b 27B・4bit(17GB) |
llama3.3:70b 70B・4bit(43GB) |
gpt-oss:120b 120B・MoE(65GB) |
|---|---|---|---|---|---|
| AMD | Radeon RX 9060 XT 16GB約38万円 | 3時間5分(1.4倍) | 15時間29分*(7.1倍) | 4.0日*(44倍) | 17時間1分*(7.9倍) |
| AMD | Radeon RX 9070 XT 16GB約44万円 | 1時間39分(0.8倍) | 10時間35分*(4.9倍) | 3.7日*(41倍) | 16時間17分*(7.5倍) |
| AMD | Radeon AI PRO R9700 32GB約66万円 | 1時間39分(0.8倍) | 5時間39分(2.6倍) | 2.0日*(22倍) | 11時間57分*(5.5倍) |
| AMD | Ryzen AI Max+ 395 128GB約58万円 | 3時間48分(1.8倍) | 13時間47分(6.4倍) | 38時間(18倍) | 4時間(1.8倍) |
| NVIDIA | GeForce RTX 5060 Ti 16GB約45万円 | 2時間14分(1.0倍) | 12時間35分*(5.8倍) | 3.8日*(42倍) | 16時間34分*(7.6倍) |
| NVIDIA | GeForce RTX 5070 Ti 16GB約53万円 | 1時間14分(0.6倍) | 9時間8分*(4.2倍) | 3.6日*(40倍) | 16時間3分*(7.4倍) |
| NVIDIA | GeForce RTX 5090 32GB約110万円 | 44分(0.3倍) | 2時間9分(1.0倍) | 41時間23分*(19倍) | 11時間13分*(5.2倍) |
| NVIDIA | DGX Spark互換機(GB10)128GB約110万円 | 3時間10分(1.5倍) | 11時間27分(5.3倍) | 31時間45分(15倍) | 4時間24分(2.0倍) |
* VRAMに載りきらず、PC本体のメモリにはみ出す組み合わせ。
(所要時間/カッコ内はClaudeの何倍か。緑はClaude以下、黄は5倍以下、赤は5倍超。)
表から分かることは3つです。
- 20Bクラスは、どのPCでもClaudeの0.3〜1.8倍で終わる。書く速さ(1秒に50〜300トークン)がClaudeと同じか、それ以上あるためです。ローカルAIは「遅い」という印象がありますが、VRAMに全部載るモデルなら、速さそのものは問題になりません。
- 27Bクラスは、VRAM 16GBだと少しはみ出して4〜7倍。32GBのGPU(Radeon AI PRO R9700・RTX 5090)なら全部載り、RTX 5090ならClaudeと同じくらいです。
- 70B・120Bクラスは、VRAMの大きさで勝負が決まる。メモリを128GB持つミニPC(Ryzen AI Max+ 395・DGX Spark)は、GPUの計算力は控えめでも、モデルが全部載るので速い。特にgpt-oss:120bは、動く部分が一部だけの作り(MoE)なので約2倍で済みます。一方、約110万円のRTX 5090機でも、メモリからはみ出すと約5倍かかります。同じ約2倍で済むなら、2台のミニPCのうちRyzen AI Max+ 395機(約58万円)のほうが半額です。
以前の記事で書いた「決め手は世代よりVRAM」は、ここでも同じでした。使いたいモデルが全部載るかどうかで、価格より大きな差がつきます。
見積もったPC 8構成と価格
ローカルAIでよく使われる構成を、AMD・NVIDIAから4つずつ選びました。タワーPCは、GPU以外の部品を共通にしています。
| メーカー | PC構成 | 形 | AIに使えるメモリ | GPUメモリの速さ | 本体メモリ | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AMD | Radeon RX 9060 XT 16GBGPUは実測機 | タワー | 16GB | 320 GB/秒 | DDR5 64GB | 約38万円 |
| AMD | Radeon RX 9070 XT 16GB | タワー | 16GB | 640 GB/秒 | DDR5 64GB | 約44万円 |
| AMD | Radeon AI PRO R9700 32GB | タワー | 32GB | 640 GB/秒 | DDR5 64GB | 約66万円 |
| AMD | Ryzen AI Max+ 395 128GB | ミニPC | 約96GB(共有) | 256 GB/秒 | (共有) | 約58万円 |
| NVIDIA | GeForce RTX 5060 Ti 16GB | タワー | 16GB | 448 GB/秒 | DDR5 64GB | 約45万円 |
| NVIDIA | GeForce RTX 5070 Ti 16GB | タワー | 16GB | 896 GB/秒 | DDR5 64GB | 約53万円 |
| NVIDIA | GeForce RTX 5090 32GB | タワー | 32GB | 1,792 GB/秒 | DDR5 64GB | 約110万円 |
| NVIDIA | DGX Spark互換機(GB10)128GB | ミニPC | 約100GB(共有) | 273 GB/秒 | (共有) | 約110万円 |
タワーPCの共通部分(約31.5万円)の内訳:CPU Ryzen 7 9700X 約5万円、マザーボード(B850)約3万円、メモリ DDR5-5600 64GB 約14万円、SSD 2TB 約3.5万円、電源850W 約2万円、ケース・CPUクーラー 約2万円、Windows 11 Home 約2万円。32GBのGPUは、電源を1000W級に(+約1万円)。組み立て費・保証・送料は含みません。
価格は2026年10月12日時点の、国内通販の新品最安クラスを参考にした概算です。2026年はメモリの値上がりが激しく、DDR5 64GBは1年前の数倍の値段になっています。その影響はPC全体に及んでいて、RTX 5090は店によって約77万〜113万円と幅があり、Ryzen AI Max+ 395のミニPC(GMKtec EVO-X2 128GB)は発売時の約42万円から約58万円に上がりました。DGX Sparkも10月に値上げされ、128GB版は互換機(ASUS Ascent GX10)でも約110万円です。実際に買うときは、必ずその時点の価格を確認してください。
ミニPCの2台は、CPUとGPUがメモリを共有する作りです。GPUの計算力はタワーPCの上位機に及びませんが、100GB近くをAIに使えるので、大きなモデルが全部載ります。なお、DGX SparkはLinux専用です。128GBのミニPCがなぜ速いのかは、メモリ増設の記事で詳しく書いています。
計算の前提
計算式は、これまでの記事と同じ考え方です。
- 書く速さ:AIは1トークン書くたびに、モデルの重みをメモリから読み出します。そのため、書く速さはほぼメモリの速さ(帯域)÷ 1回に読み出す量で決まります。GPUの理論帯域に、検証PC(RX 9060 XT)の実測から出した効率0.69を掛けて使いました。VRAMからはみ出した分は、PC本体のメモリ(DDR5-5600・実効49GB/秒と推定)から読むので遅くなります。VRAMからはみ出したときの記事の計算式そのものです。MoEのモデルは、1トークンごとに一部の重みしか使わないので、はみ出した分もその一部だけを読みます。
- 読む速さ:資料を読み込む速さは、GPUの計算力で決まります。検証PCのgpt-oss:20bの実測(毎秒1,677トークン)を基準に、GPUごとの計算力の比で推定しました。はみ出した重みは、読み込みの途中でGPUへ転送し直すため、その時間を足しています。
- 実測との照らし合わせ:この方法で、検証PC(RX 9060 XT・古いCPUとDDR4メモリ)の条件を入れると、gpt-oss:20bは毎秒56トークン(実測54〜59)、gemma3:27bは毎秒約6.9トークン(実測6.3〜6.7)、メモリを64GBに増設したあとのgpt-oss:120bは毎秒約9.3トークン(実測8.7)になります。ほかの7構成は実測していないので推定値です。ただし、Ryzen AI Max+ 395でgpt-oss:120bを動かしたときの書く速さだけは、他社の実測(毎秒46.5トークン)を使いました。この方法の推定(毎秒約32トークン)より速く、推定は控えめに出ています。
正直に書いておくこと
- 品質は比べていません。ここで比べているのは時間だけです。ClaudeがこなしたAIの仕事を、ローカルの20B〜120Bのモデルが同じ品質でこなせるとは限りません。複雑な改修では、やり直しが増えて、書く量そのものが増える可能性があります。
- 長い会話は、ローカルAIには重い。Claude Codeは1回に数万〜十数万トークンの資料を抱えて作業します。ローカルAIで同じ長さを扱うと、作業用のメモリが増え、読む速さも落ちます。この計算では、その影響を入れていません。
- 読む量は多めに出ています。クラウドのAIは、しばらく間が空くと同じ資料を読み直し、その分も記録されます。
- Claudeは並行して動くことがあります。サブエージェントを同時に何体も動かした場合、Claudeの時間は短く済みますが、ここではローカルAIは1台で順番に処理するとしています。
- 速さはOllamaで動かした場合を想定しています。ほかのソフトや設定の工夫で速くなる場合があります(特にNVIDIAは、実測ではこの推定より速めに出ることが多いです)。
まとめ:まず自分のログで「量」を知る
ローカルAIのPCを選ぶとき、「どのGPUが速いか」から考えがちです。しかし実際には、自分の仕事の量と、使いたいモデルが全部載るかで答えがほぼ決まります。Claude Codeを使っている方なら、その「量」はすでに手元のログにあります。ぜひ一度、このページに入れてみてください。
弊社では、こうした計算をもとに「業務データを外に出さないローカルAI環境」の構成選びや構築、業務の自動化のご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
参考・出典
- ローカルAIの「遅さ」はどこまで許せるか? チャットをやめて自動化すれば見えてくる答え https://syushi.com/blog/local-llm-speed-tolerance/
- VRAMからはみ出したAIは、頭が悪くなるのか? 実測と計算式で確かめた https://syushi.com/blog/local-llm-offload-accuracy-speed/
- ローカルAIのPC選び、決め手は「世代」より「VRAM」だった https://syushi.com/blog/local-llm-gpu-vram-benchmark/
- Ollama https://ollama.com/
- GPU価格: 価格.com グラフィックボード売れ筋ランキング https://kakaku.com/pc/videocard/ranking_0550/ / いまいくら?GPU https://gpu.imaikura.jp/ / Radeon AI PRO R9700 価格比較 https://kakaku.com/item/K0001717983/(いずれも2026年10月12日閲覧)
- メモリ価格: AKIBA PC Hotline! 月例価格レポート https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/price/monthly_repo/2142665.html
- Ryzen AI Max+ 395 ミニPC(GMKtec EVO-X2 128GB): https://www.gdm.or.jp/pressrelease/2025/1111/611450
- DGX Spark 値上げ: PC Watch「メモリ64GB版『DGX Spark』登場。4,999ドルで、128GB版は値上げ」 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2145000.html / ASUS Ascent GX10 価格比較 https://kakaku.com/item/K0001787948/
- メモリを足せばVRAMの代わりになるのか? 増設前後で実測し、128GB小型PCの仕組みと自作費用も調べた https://syushi.com/blog/ram-upgrade-vs-vram/(Ryzen AI Max+ 395 ミニPCの価格・gpt-oss:120bの実測を含む)
- Ryzen AI Max+ 395 搭載PCの gpt-oss-120b 実測(46.5 tok/s): PC Watch のマウスコンピューター「DAIV CX」検証記事(上記メモリ増設の記事で紹介)
- 速さの基準は弊社の実測(2026年9月28〜30日・Radeon RX 9060 XT 16GB)。弊社の1日分は、開発・改修案件でのAI利用記録(2026年7月22日〜9月30日)から集計。